双子を出産して、まだ入院していたときのことです。
夜勤で病室を回ってきた助産師さんが、双子の誕生を「おめでとう」と喜んでくれました。
生まれたばかりの双子のうち、一人には私が母乳をあげ、もう一人には助産師さんが哺乳瓶で授乳してくれていました。
二人を同時に育てる生活は、もう始まっていました。
退院後の生活を考えると、不安でいっぱいだった
私には、双子のほかに上の子もいました。
退院後に待っているのは、三人の子どもの育児です。しかも当時、夫は単身赴任のような状態でした。
里帰り先では実家家族の助けを借りる予定でしたが、家族とうまく生活していけるのかという不安もありました。
一人で三人を見なければならなくなったら、私は本当にやっていけるのだろうか。
そんな不安を、授乳を手伝ってくれていた助産師さんにこぼしました。
「私も育児が得意だったわけではない」
その助産師さんのお子さんたちは、すでに大きくなっていました。
助産師さんは、ご自身も育児が得意だったわけではないという話をしてくれました。そして、こんな言葉をかけてくれました。
二人とも泣いたら一緒に泣いていい。
うまくいったらめっちゃハッピー。
全部が初心者なんだから落ち込まない。
うまくいかない日があっても、それは当然のこと。最初から完璧にできなくても大丈夫なのだと励ましてくれたのです。
正確な言い回しを、そのまま覚えているわけではありません。
けれど、その話を聞いた私は、こう受け取りました。
「完璧に育てなくていい。生かしてあげれば、それで100点なんだ」
「生かしてあげれば100点」という部分は、助産師さんの言葉を聞いた当時の私が受け取った意味を、今の自分の言葉で表したものです。
これから始まる三人育児を前に、「ちゃんとやらなければ」と力が入っていた私にとって、その考え方は大きな救いになりました。
育児に対するプレッシャーが、すっと緩んだことを覚えています。
今も「家に帰ってこられたら100点」
あれから時間がたった今も、この考え方は私の中に残っています。
私自身の体調が悪い日に、子どもたちを迎えに行き、全員を無事に家まで連れて帰れたら、それだけで100点。
さらに、子ども全員に食事を出して、お風呂に入れて、寝かせるところまでできたなら、もう完璧です。
元気な日と同じように家事や育児ができなくても、その日の体調や状況の中で、家族が一日を終えられた。それで十分だと思っています。
その日の100点は、自分で決めていい
子育てをしていると、「きちんと食事を作らなければ」「家を片づけなければ」「子どもに優しく接しなければ」と、いくつもの理想を自分に課してしまいます。
けれど、親の体調が悪い日もあれば、予定どおりに進まない日もあります。複数の子どもが同時に泣いたり、家族の助けを十分に得られなかったりする日もあります。
そんな日にまで、いつもの満点を目指さなくてもいい。
家に帰ってこられたら100点。
食事を出せたら、さらに花丸。
お風呂に入れて眠れたら、もう完璧。
双子を出産したあとの病室で、助産師さんとの会話から私が受け取ったのは、そんなふうにその日の合格ラインを自分で決めてもいいということでした。
これからも、何もかもうまくできる親にはなれないかもしれません。
それでも、子どもたちと一日を終えられた自分に、「今日も100点」と言ってあげたいと思います。


