“ピアノが脳に良い”は本当?楽器演奏が頭脳にもたらす効果

hazeran

ピアノ大好き!はぜらんです



はっちー

小さい頃からピアノをやっていると
賢くなる!とかよく聞くよね



hazeran

実際、楽器を演奏することで
脳をどんなふうに使ってるんだろう

 

ピアノ演奏は脳に良い
という話は何となく聞いた事があるけれど
それって本当なの?



という疑問をお持ちの方、
いらっしゃるのではないでしょうか。



私も何となく
ピアノは両手を使うし
楽譜を読みながら弾いたりして
脳を使っていそうだなと思いますが、



科学的な根拠はあるの?
と疑問に思っていました。



そこで今回は
ピアノをはじめとした楽器演奏が
頭脳にどんな効果をもたらすのか
ご紹介します。


ピアノ演奏が頭脳に与える効果に注目した理由

ピアノ演奏は頭脳に良い影響を与えるのか
というテーマについて、脳科学者をはじめ
様々な研究者の間で研究が進んでいます。


近年、新型コロナウイルスによる
外出自粛の影響で、
人々が外出を控えるようになり、
認知症のリスクが高まっているんだそう。


広島大学の全国945施設・
介護支援専門員751人のオンライン調査

では約38%の患者に
認知機能の低下や日常生活動作の低下
が認められたという結果が。



hazeranbikkuri

患者さんの3人に1人に
症状悪化が起こっているんだって




脳が正常に動くためには、
絶えず十分な量の
血液が流れる必要があります。



しかし、認知症の場合、
大脳皮質や記憶を司る海馬で
血流の低下がみられるのだとか。



脳に十分な血液を流すためには
適度な運動が必要とされていますが



外出を控える事による運動不足で
認知機能が低下する高齢者が増えています。



そこで、自宅でも認知機能低下を防ぐ手段が
必要になっているのです。


 

一方で、
ピアノ演奏が
認知症の予防や子供の頭脳の発達に
効果的であることが
様々な研究からわかってきています。


そこで私は、自宅でピアノを弾く事が
認知症の予防につながるのでは?
という期待のもと、
ピアノが脳の活動にどのように影響するか
調べることにしました。


ピアノ・楽器演奏と頭脳の関係

hazeran

ピアノと頭脳の関係については
色々な研究があるみたい





ピアノと頭脳の関係について調べてみると
脳の発達に影響していることを示す
たくさんの調査・研究が出てきます。



ここでは、国内外で研究されている
脳とピアノを含む楽器演奏の関係について
研究者のレビューをご紹介。



楽器演奏と脳の関係

楽器演奏と脳の関係について
脳の発達と音楽学習の分野で
教育者であり研究者である
アニータ・コリンズ博士は
TEDでこのような発表をしました。


 




ここでは楽器演奏が
脳にどのような効果をもたらすのか
説明しています。



動画の内容によると、
私たちは読書や計算をしているとき
脳の特定領域が活動するのだそう。


一方で音楽を聴く時には
脳の広い範囲の様々な部位が
同時に活性化しているのです。





さらに楽器演奏を行う人の脳を調べると、
脳が全身運動に匹敵する
活動を見せるのだそう。



楽器演奏で特に活性化していたのが
脳の「運動野」「聴覚野」「視覚野」
である事がわかっています。


楽器演奏には左右のそれぞれの脳から
運動能力の制御が必要なため、



左右の脳を繋ぐ架け橋である
脳梁の結びつきが強まり、活性化し、
素早く多様なルートで
情報伝達が促されるんだとか。





認知機能のレベルが同程度の
複数の人に楽器演奏をさせた実験では
楽器を学ばなかった人と比べて、
脳内の複数のエリアで
機能の向上が確認されたそうです



これらの内容から、
楽器演奏は脳の広範囲を活性化させる
事がわかります


HQとピアノの関係




脳科学者の澤口氏はピアノの稽古によって
HQ(Humanity Quotient)
が高まると述べています。


澤口氏いわくHQは
人間性知能という意味であり
下記のような2つの能力なのだそう。

未来志向的行動力
夢や目的に向かって適切に行動する能力

社会関係力
理性・思いやり・協調性を身に付けて
うまく生きる能力



HQが高まることによって、
問題解決能力、主体性、協調性、
思いやりなど、
数値では測りづらい人間力が伸びるのだそう。



HQ の高い人の特徴

  • 目的をもち、未来志向的で計画的
  • 学力と学習意欲が高い
  • 問題解決能力が高い
  • 個性的で、独創的
  • 理性的で、協調的・利他主義
  • 優しく思いやりがある
  • 社会的に成功する

HQが高い人の特徴に関する参照はこちら


hazeran

HQを高めるには
58歳ごろからピアノを習うのが
効果的なんだって





ピアノをなぜ習うの?という
インタビューでは
ピアノはHQだけでなく、
脳機能をまんべんなく育て、
地頭を良くするとも。




脳の発達とピアノ演奏の関係性は
興味深いテーマの一つとして
まだまだ研究が進みそうですね。


それって本当?ピアノと学力の因果関係

これは余談ですが…
ちまたには
「ピアノを習っているから頭が良くなる」
という話が聞かれます。



その根拠として
「××大生の40%がピアノを習っていた」
など、ピアノを習っていた事と学力の間の
相関を示すデータが出ていたりしますよね。


しかし相関というのはあくまで
何らかの関連性があるということで、
必ずしも因果関係を示すものではないです。



つまり、
ピアノをならっていた事が
学力向上”原因かどうかは

このデータだけではわからないのです。


相関関係から因果関係を示すデータは
因果関係の根拠を要確認ですね


ピアノで頭脳が活性化する5つのポイント

hazeran

ピアノを弾く時
どんなふうに脳が動くのか
知りたいわ



はっちー

ピアニストの脳についての本から
一部を紹介するね

 



ここでは主に
音楽演奏科学者の古屋晋一氏の
「ピアニストの脳を科学する」(春秋社)
という本を参考に
ピアノで頭脳が活性化する
5つのポイントをご紹介。





ピアニストの超人的な持久力の秘密や
感動を生み出す演奏とは何かなど、
ここでは紹介しきれない
興味深い内容が盛りだくさんでした。


ご興味のある方は
チェックしてみてください。




脳が活性化するピアノの5つのポイント 

  • 左右独立した指の運動
  • 音を動きに変換する
  • 楽譜を読む
  • 暗譜
  • 音の違いを聴き分ける

 

左右独立した指の運動

左右独立した指の運動をする時
初めはどちらかの指が
つられてしまいますよね。



両手でピアノを演奏する時には
右手は左脳から、左手は右脳から
それぞれ指に指令が出ています。



左右どちらかにつられてしまう原因は
左脳と右脳を繋ぐ脳梁を経由して
脳から筋肉に送られる指令の一部が
漏れ出ているからなんだそう。



両手を動かしている時の脳の活動は
左右同じ動きをするよりも
反対の方が活発な事がわかっています。



これは、左右の脳がお互いの信号に
負けないようさらに強い信号を出したり、
漏れ出てくる信号をブロックする
新たな信号が必要だからなのだとか。



左右別々の演奏をしている時、
私たちの脳内では様々な信号が出され、
脳の働きが活発になっているのですね。


hazeran

楽器演奏による
脳梁の活性化については
TEDでも言ってたわね

 

音を動きに変換する




ピアノを弾く時、
指で音を弾きながら
頭の中では次の音をイメージしています。



この時、頭の中では
音を動きに変換する作業が
起こっています。




ピアニストの脳内では
音を聞く聴覚野が活性化すると
指を動かしていないにもかかわらず
指を動かすための脳部位が活性化する
事がわかっています。



逆に、音のならない鍵盤で指を動かすと
聴覚野が一緒に反応するのだそう。



ピアノを弾く事で
「音から指の動き」
「指の動きから音」を連想できる
特殊な回路が脳内にできるのです




こんな回路プロにしかないんでしょ
と思いきや、なんと
最短数十分の練習で獲得できるのだとか



音をイメージして指を動かす練習は
脳の耳と運動の領域をダブルで刺激する
良いトレーニングになりそうですね。


楽譜を読む




楽譜を読みながら弾くためには、
楽譜の情報を頭の中で
指の動きに変換する必要があります。



実際に楽譜を読みながら弾ける人は、
脳の上頭頂小葉の働きが活発になるそう。


この上頭頂小葉は
目から入った空間的な情報を
動きに変換する領域なのです。



音楽の訓練を受けたことのない人と
音楽家で上頭頂小葉の大きさを比較すると
音楽家の方が発達しているのです。



ピアノの経験がない人でも
楽譜に合わせて正しい鍵盤を押す
トレーニングをすると、
上頭頂小葉の活動が強くなるのだそう。



楽譜通りの動きをする訓練によって
ピアノ初心者でも

上頭頂小葉が鍛えられるという事ですね。


暗譜

人前でピアノ演奏をする際、
ピアニストは楽譜を見ません。



それはピアニストが楽譜を全て
”暗譜”しているから。



脳の中で記憶をつかさどる場所を
海馬といいます。



音楽家の海馬は
音楽家でない人よりも大きく、
記憶を多く蓄える事ができるのだとか。



ピアニストは音を記憶する際に
視覚野も同時に活動するそうです。



つまり、ピアニストは音を記憶する際に
音を画像として記憶している
のです。


また、ピアノを弾く時には
鍵盤を押さえる順番も
覚えなくてはなりません。



指を連続して動かす時には
指の順番を合わせて記憶している方が
バラバラに記憶するよりも
運動を司る運動野が
活発になる事がわかっています。


暗譜による演奏は
脳内で海馬を活性化させるだけでなく、
視覚、聴覚、運動野を
フル稼働させる事がわかりました




音の違いを聴き分ける

ピアニストは同じ音でも
タッチの違いによって
音色を聴き分けています。



音の違いを聴き分ける時、
脳はどんな動きをしているのでしょう。


音の波は耳の中にある器官を経由して
電気信号に変わり
脳幹→視床→聴覚野へ送られます。



最後に到達する聴覚野で
音のピッチや音色
メロディを認識しているのです。


音楽家とそうでない人の
聴覚野の神経細胞数を比較すると
音楽家はなんと、2倍もあるんだそう。



神経細胞の活動も音楽家の方が
音楽家でない人より活発なのだとか。



音楽家は発達した聴覚野によって
音の特徴を正確に把握したり
音の微妙な違いを認識できる
事がわかります。






また、受動的に音を聴くのと
自分で音を鳴らした音を聴くのでは、
自分で鳴らした音を聴くほうが
聴覚野が活発に動くのだそう。



音楽をただ聴くのではなく、
自分で演奏した音を聞く事で
音を聞き分ける脳が鍛えられるのですね。


まとめ

ここまで
ピアノや楽器演奏が
頭脳にもたらす効果について
ご紹介してきました。


国内外の研究によって、
楽器演奏が脳を活性化する事が
明らかになっています。


その中でも今回はピアノに注目し、
音楽家の脳の発達度の観点から
脳の活性化に役立つ要素を
いくつかまとめました。




脳が活性化するピアノの5つのポイント 

  • 左右独立した指の運動
  • 音を動きに変換する
  • 楽譜を読む
  • 暗譜
  • 音の違いを聴き分ける

 

ピアノや楽器演奏によって
脳が活性化するポイントについて、
今回は複数ある中からいくつかを
ピックアップしてご紹介しました。



ここでは紹介しきれていない
ものもたくさんあります。



ご興味のある方は、
今回ご紹介した古屋晋一氏の著書や、
研究論文をぜひチェックしてみてください。


冒頭でも述べたように、
コロナの影響で認知症が進行してしまう
高齢者が増える中で、



脳トレの一環としてピアノの演奏は
有効であると考えます。


しかし、
運動不足の深刻化を防ぐためには
脳トレだけでなく
筋力を鍛えるトレーニングも
必要不可欠です。



ピアノ演奏が少しでも多くの方の
脳トレに役立つ事を願っています。


hazeran

以上、はぜらんでした!
ここまで読んでくれてありがとう





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